アルコールの健康


先日、アルコールに関わる栄養素についてご紹介しました。

今回は、アルコールと健康について書きます。

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お酒を飲む人、飲まない人、飲み会や付き合いで飲む人など、

人によって、飲む頻度や量、種類もバラバラだと思います。

 

お酒の飲み過ぎは健康へさまざまな影響を与えるのは御存じかと思います。

 

では、どのような影響があるのでしょうか?
国立がん研究センターから出されているがん予防法の提示を参考にさせて頂いてます。

 

【国際評価の現状】
飲酒は口腔、咽頭喉頭、食道、大腸(男性)、乳房のがんのリスクを上げることが"確実"とされています(WCRF/AICR 2007)(WHO/FAO 2003)。
さらに、肝臓、大腸(女性)のがんのリスクを上げることも"ほぼ確実"とされています(WCRF/AICR 2007)。
刊行論文のメタ解析と、世界疾病負担研究(Global burden of disease Study)との結果より、
飲酒が非感染性疾患死亡に寄与する割合は3.4%と試算されています。
特にがん、高血圧・出血性脳卒中・心房細動を含む心疾患、脂肪肝・アルコール性肝炎・肝硬変などの肝疾患、膵炎では関連が強く見られます(Parry et al. Addiction 2011)。
→現在の国際的な評価としては、上記のがんにおいて飲酒が影響するとしています。

 
では日本人を対象とした研究ではどうでしょうか

 
【日本人を対象とした研究の系統的レビューによる因果関係評価】
本研究班では、日本人を対象とした研究に基づいて、飲酒によりがん全体のリスクが上がることは"確実"と評価しました(Inoue et al. Jap J Clin Oncol 2007)。部位別には、肝臓(Tanaka et al. Jap J Clin Oncol 2008)、大腸(Mizoue et al. Jap J Clin Oncol 2006)、食道(Oze et al. Jap J Clin Oncol 2011)のがんにおいてその影響が"確実"としました。その他、胃、乳房、肺それぞれのがんについてはいまだ”データ不十分”の状況です(Shimazu et al. Jap J Clin Oncol2008; Nagata et al., 2007; Wakai et al. Jap J Clin Oncol 2007)。
→飲酒によりがん全体のリスクが上がることは"確実"とのことです!

 

【日本人のエビデンスのエビデンスと生活習慣改善により期待される効果】
日本人男性を対象としたあるコホート研究で、1日あたりの平均アルコール摂取量(純エタノール量)で46g以上の飲酒で40%程度、69g以上の飲酒で60%程度、がん全体のリスクが上がることが示されました。これらの飲酒量に該当する人の全体に対する割合も考え合わせると日本人男性のがんの13%程度が、1日2合以上の飲酒習慣によりもたらされているものと推計されます(Inoue et al. Br J Cancer 2005)。大腸がんについての日本人を対象とした5つのコホート研究を統合したデータに基づくと、1日あたりの平均アルコール摂取量が23~45.9g、46~68.9g、69~91.9gと増すにつれて、大腸がんのリスクも1.4、2.0、2.2倍と上昇し、92g以上では3倍近くになることが示されました(Mizoue et al. Am J Epidemiol 2008)。肝臓がんについての4つのコホート研究を統合したデータによるとそれぞれのリスクは男性で1.1, 1.1, 1.8, 1.7倍、女性においても23g以上全体で3.6倍のリスク上昇が見られています(Shimazu et al. Int J Can 2011)。
 
日本の6コホートを統合して飲酒と全死亡、死因別死亡との関連を見たところ、男性の全死亡、全がん、循環器疾患死亡において、また女性の全死亡、心疾患死亡において、23、あるいは、46g未満では、リスクの上昇が認められないJ字型あるいは、リスクの低下が認められるU字形の関連がみられています。(Inoue et al. J Epidemiol Community Health 2010)。したがって、節度のある飲酒が大切です。飲む場合は1日あたりアルコール量に換算して約23g程度(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウィスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度)、即ち、週150g程度の量にとどめるのがよいでしょう。飲まない人や飲めない人の飲酒はすすめません。また、健康日本21では、「節度ある飲酒」として約20g程度までをすすめています。
→死亡率との関係を見ると、“節度のある飲酒”が大切であるとのことです。

 
たばこのように百害あって一利なしとまでは言いませんが、お酒に飲まれるようなことは無い方がよいですね。

「健康」と一言でいいますが、「健康を維持する」ためには、さまざまなことが関わってきます。

 

お酒を飲む目的はヒトによって違うと思います。懇親会などで楽しく飲む、気のおける友人と飲む、上司に付き合って飲む、ストレス発散で飲むなど。

お酒に強い・弱いも様々です。

飲む場合は、どのように飲むのかということも大事です。

例えば、夕食を食べた後焼酎を寝る直前までだらだら飲む、空腹状態で飲酒するなどは体(肝臓)に負担となります。

飲酒はがんだけではなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも関係があります。それぞれ、病気の進行状態によって節酒・禁酒となることもあります。

飲酒習慣のある人は、お酒の量だけでなく、一緒に食べるつまみが脂っこい物・塩分の多いものになりがちです。

人は様々なものを食べています。これは体に悪い、これは体に良いと線引きすることは難しいです。(やっぱり、量・バランスとなってきます)

お酒を飲む場合は、先日ご紹介したお酒に効く!栄養素 - yuu-chan3のブログを参考にして、楽しく飲んでもらえればと思います。

 
からだに良いと言われているものでも、大量に摂れば「害」となり得ます。

また、野菜をほとんど摂らず、ごはんや麺など糖質が多いものに偏っていれば、血糖値が上昇し、血液中に余ったブドウ糖グルコース)は糖化により、血管を傷つけます。

食事以外では、ストレスが多い、運動不足などもがんや、生活習慣病の発症に関わります。

 

世の中には様々な情報が溢れています。
その情報に振り回されず、(特に日本人はテレビなどで体に良いらしいと紹介されると、その商品がバカ売れします)信頼できる機関やヒトが発信している情報を自分なりに咀嚼し、どのように消化するかが大切だと思います。正しい情報を得られたとしても、それをどう活かすかは個々人にかかっています。