「醤油」について改めて勉強してみる&おすすめの伝統醤油


醤油。しょうゆ。

 

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物心つく前から、あたりまえに家にあった調味料の一つ。

 

あたりまえすぎて深く考えたことがありませんでした。

「和食」がユネスコの無形文化遺産になり、また東京オリンピックも控えている今、

日本人は「和食」について改めて考えてみる良い機会だと思います。

 

外国から来た方に、「和食」について語れると嬉しいですよね。

私の中の和食のイメージは、「出汁」「季節」「発酵調味料」です。

 

今回は、発酵調味料の「醤油」についてみていきたいと思います。

 

醤油の歴史から健康効果までみていきます。

興味ない箇所はスルーしてください(笑)

 

  

醤油は日本の伝統的な発酵調味料です。

 

つまり、醤油は腸内環境の改善に一役かってくれます!

 

 

 醤油の歴史

 

醤油とは

「醤油」は大豆、小麦、魚、鳥、獣肉などタンパク質を多く含む食材を原料として、それに塩を加え、麹菌や発酵微生物を増殖させ、

アミノ酸や糖類など呈味物質に変えた調味料の総称です。

 

食塩は、腐るのを防ぎ、発酵菌の活躍を促し、塩味をつけてくれます。

醤油をおいしく感じるのは、大豆など原料のタンパク質に麹菌が作ったタンパク質分解酵素が働き、うまみの成分「アミノ酸」が増えるからです。

 

醤油の起源

中国にあるといわれ、秦(しん)の始皇帝の時代、すでに「醬(じゃん)」や「豉(し)」の記述があります。

そこから時代を経て、6世紀初頭の中国最古の農業省「斉民要術」には「豆醬清(とうじゃんちん)」、つまりは豆醬の上澄み液、「醤油」の製造法が記載されています。

 

醤油は日本発祥ではなく、中国に起源があったんですね~

 

日本には、仏教の伝来(538年)とともに伝わったという説がありますが、さだかではありません。

 

ただ、今から2000年前(弥生時代)、日本には魚や肉、穀物、野菜を塩で漬けこんだもの「比之保(ひしお)」がありました。これは中国から「醬(じゃん)」が伝わる前にすでに存在し、あとから伝わった「醬(じゃん)」と似ていたので、「「醬(ひしお)」と呼ぶようになったのではないかと考えられます。

肉や魚などを塩漬けにして保存し、そこからでてきた液体を調味料として使用していた可能性があり、日本は縄文時代あたりから発酵調味料を利用していたと推測されます。

 

平安時代までは、今の野菜の漬物のような「草」、鳥、獣、貝などを塩で漬け込んだ今の塩辛のような「肉醬」、魚やイカの肉や内臓、卵などを漬け込んだ「魚醬」、大豆、米、小麦などを塩と漬けこんだ「穀醬」の時代が続きました。

 

鎌倉時代からは、「穀醬」が調味料として地位をあげていきます。そして室町時代の文献(「節用集」)に醤油が登場します。

 

醤油の語源は「醬からしみでたり、絞り出した汁」が正しいようです。

 

江戸時代には、すでに今の濃い口醤油の製造法が確立していまいした。

江戸時代、江戸では、「下り醤油」という大阪から運んだ醤油が上質だとして人気があったそうです。ただし、江戸後期には、下り醤油の人気は下火になり、関東の醤油の消費が多くなりました。

1661~1673年にキッコーマンの一族が醤油醸造業を、1616年にヒゲタが開業し、1645年にヤマサが創業を開始しています。

 

江戸時代がおわり明治時代になると、西欧からの近代科学、原料学、微生物学、発酵学の知恵を活かし、醤油の生産量は飛躍的に増えます。

 

 醤油の種類

 

 JAS(日本農林規格)では、

  • 濃口醤油(市販醤油の84%
  • 淡口醤油(市販醤油の12%)
  • 溜醤油(市販醤油の1.6%)
  • 再仕込み醤油(市販醤油の1%)
  • 白醤油(市販醤油の0.7%)

の5種類に規定されています。

 

さらに、「特級」「上級」「標準」が規定されている。さらにこの中でうまみ成分が多いものに関しては「超特選」や「特選」などと表示できる。

 

また、JASでは醸造方式として「本醸造方式」「混合醸造方式」「混合方式」の3種類がある。

 

「減塩醤油」「うす味醤油」はJASではなく、厚生労働省で指定している種類です。

 

 醤油を作る発酵微生物

 

大きく分けて、麹菌、塩に強い醤油酵母、塩に強い醤油乳酸菌があります。

 

蒸した大豆と炒った小麦を種麹と混ぜ、これを麹室(こうじむろ)で製麹(せいきく)すると、麹カビが増え、醤油麹ができます。

この麹の中には、麹カビが作ったタンパク質分解酵素が多く含まれ、諸味(もろみ)での発酵の際に原料のタンパク質をアミノ酸に分解します。

次にこの麹と塩と水を仕込み樽に加え諸味を作ります。

この諸味では、麹に付いていた塩に強い酵母や塩に強い乳酸菌が繁殖して発酵が起こります。

約1年間発酵・熟成を行う間、これらの微生物は、アルコールやエステル類、有機酸類などを作り、醤油特有の味に仕上がります。

 

醤油諸味は18%と高い塩が含まれ、ほとんどの微生物は生きれません。

 

醤油を作る麹菌

醤油の製造には味噌と同じアスペルギルス・ソヤーという黄麹菌を使います。

これは、タンパク質分解酵素をたくさん作ってくれるので、「うまみ」であるアミノ酸をたくさん作ってくれます。

(日本酒をつくる麹菌は、アスペルギルス・オリゼーという黄麹菌が使われ、これはデンプンを分解する酵素をたくさん作ります)

 

塩に強い醤油酵母

一般の微生物は塩に弱く、5%の塩分濃度があれば繁殖できないが、醤油の諸味のなかで生きる酵母は特殊な細胞膜と細胞壁をもち、その高い塩分濃度で生きることができます。

この酵母は諸味の中で発酵し、エチルアルコールやいろいろな高級アルコールを作り、醤油に味や香りをもたらし、特有の発酵香をつけます。

 

塩に強い醤油乳酸菌

醤油に酸味(乳酸)をもたらします。

 

 濃口醤油ができるまで

 

醤油といえば、一般には濃口醤油をいいます。市販醤油の8割を占めます。

 

①醤油用麹を作る

脱脂大豆を蒸し、小麦を砕いて炒ります。それを混ぜそこに種麹を振りかけて混ぜ、麹蓋という箱に入れ、麹を作る室に引き込み麹が育つのを待ちます。

 

②諸味に仕込まれる

育った醤油麹は諸味(もろみ)に仕込まれます。諸味とは、仕込み容器に醤油麹と食塩水を入れて仕込んだ発酵途中のもの。日本酒では醪(もろみ)と書きます。

その諸味のなかでは、タンパク質分解酵素により原料のタンパク質を分解します。この働きによりたくさんのアミノ酸やペプチドが醤油に強い味をもたらし、できたアミノ酸はうま味だけでなく、諸味の段階で酵母や乳酸菌の作用を受けて醤油特有の香りをつけます。

また、醤油麹のデンプン分解酵素は小麦のデンプンを分解しぶどう糖を作り、甘味を付け、発酵や熟成に関わる微生物が働くのにもつかわれます。発酵中、塩に強い酵母によって作られるアルコールや塩に強い乳酸菌によって作られる乳酸の原料にもなります。

さらに醤油麹に含まれる繊維分解酵素(セルラーゼ・ヘミセルラーゼ)やペクチン分解酵素などはタンパク質分解酵素と共に大豆や小麦の組織を壊す作用をもち、トランスアミナーゼやグルタミン酸脱水素酵素は、呈味の中心となるグルタミン酸を作るのに一役かっています。

 

原料にあるアブラは醤油には不要なものです。麹由来のアブラ分解酵素(リパーゼ)の力で分解されてしまいます。

醤油特有の色は、糖とアミノ酸の反応(アミノカルボニル反応)によって作られるものです。

 

③諸味を搾って生揚を得る

熟成した諸味を圧搾して得られた液体の醤油を「生揚(きあげ)」といいます。

これを数日間おいて、表面に浮いた醤油油や沈殿した垽を除き、次に火入れをします。

火入れの目的は、生醤油中の微生物の殺菌、生醤油に残る酵素を働かないようにする、熱を加えることでさらに醤油らしい香りや色沢が増す、醤油中の微量高分子物質(製品になって市場に出回ってから沈殿すると返品になる)を沈殿し除去するためです。

これで完成です。

 

 

麹・酵母・乳酸菌それぞれの作用によって、大豆と塩と小麦があんなにおいしい醤油に生まれ変わると思ったら不思議です。あたりまえですが、大豆と塩と小麦を混ぜて食べても醤油の味はしません。

 

醤油文化を発達させてきた昔の日本人を誇りに思います。

 

 

お勧め濃口醤油

かめびし醤油 さんのかめびし にがり入りこいくち醤油 です。

 

かめびし醤油さんは、香川県引田町にあるなんと創業250年以上の老舗です。

国内で唯一「むしろ麹法」で200年以上醤油を作っておられます。14段の筵(むしろ)の上に麹を広げ寝ずの番をしながら丁寧に丁寧に麹を育てておられます。

 

むしろ麹法とは?(HPより)

「むしろ麹(こうじ)製法」とは、特殊な構造を持つ木造2階建ての室内で、簀( す )=竹をわらで編みつないだもの。筵(むしろ)=わらで編んだ1畳ほどの敷物。麹(こうじ)=蒸した大豆 + 炒って砕いた小麦 + 麹(こうじ)菌の順に、図のように10~14段に重ねて、4日間かけて麹(こうじ)を育てる方法です。筵(むしろ)180枚全部を使用しても機械法の約半分しかできない上、初日に7人で3時間近くかけて積み上げた段を2日目の朝に一旦全部叩き落としてもう一度積みなおす作業(手入れといいます)や、夜間も温度管理を続けるための泊まりもあります。機械法では3日の間、スイッチを操作するだけ。ほとんど自動制御システムが管理しますから至って簡単です。そして麹(こうじ) や生揚(きあ)げを買うだけとなると、もちろんその手間さえも省けます。
でもかめびしは自分で麹(こうじ)をつくることだけでなく、どうしてもこのむしろ麹(こうじ)にこだわります。

 

 お読みの通り、むしろ麹法では、手間がかかるわりに、機械と比べ麹は半分しかできません。むしろ麹で手間をかけられた麹は居心地のいい空間ですくすく育ちます。

 

しかし手間をかけてむしろ麹で仕込んだ醤油には機械には出せない味があります。

 

200年以上同じ方法で醤油を作っているということは、200年前と同じ醤油を食べているということです。伝統的な方法を守り続けておられる分、醤油の値段も高くなります。スーパーに行けば安ければ、1Lで200円以下のもあるでしょう。

しかし、消費する人がいなければ、伝統もすたれてしまいます。

価値観は人それぞれですが、私は、値段が高くても、安心・安全・おいしいもの、そして日本の伝統的なものを食すことに価値をおいています。

例えば、服を1枚買わなければ、十分に伝統的な調味料が買えます。

話がそれましたが、特に小さいお子さん、離乳食の終わりから味のついたものを食べることも増えてくると思います。小さいうちに添加物や味の濃いものなどを食べてしまうと味覚が鈍くなってしまいます。伝統的な方法で作られた発酵調味料に親しんでほしいと思います。

ちなみに、「うま味」の概念は日本人にはありますが、だし汁を外国で育った人が飲んでもおいしいと感じないそうです。でも私たち日本人は小さいころから「うま味」を口にしてきていますので、だし汁をおいしいと感じることができます。

 

 

また、かめびし醤油 さんには珍しい粉末しょうゆ も売られています。

 オニオン&にんにくタイプなどいろんな味がありますので、ハーブソルトのような感覚でサラダにかけてもいいですね。また、珍しいのでプレゼントにも喜ばれると思います。

 

 

 

 醤油の健康効果

 

醤油そのものには栄養素はありません。

食欲を増してくれるアミノ酸や香気成分が含まれます。

 

健康と関係することといえば、生ものに対する解毒作用があることです。

お刺身や寿司に醤油を使ってきたのは、この解毒作用により食中毒予防を期待したからかもしれません。

 

ちなみに、醤油には小麦が入ったものが多いですが、小麦アレルギーでも醤油は大丈夫という場合が多いです。発酵の過程でアレルゲンとなるタンパク質は分解されてしまうためです。ただし、小麦アレルギーの方は主治医と相談の上、許可がでれば食べるようにしましょう。